2010年8月31日火曜日

【横浜 山手】 7つの洋館 2. 山手111番館


(^x^)こんにちは。MANIERAです。

横浜市は、山手(Yamate)地区の 7つの西洋館を保存し、無料で公開しています。
5月初旬に、集中的に、7つの西洋館を見てきたので、順番に紹介していきたいと思います。
第2回目は、山手111番館(Bluff No.111)です。





01
イギリス館を後にして、港の見える丘公園内にある、
ローズガーデンにやって来ました。

正面の白い建物が、山手111番館です。
☆ 写真の左端の木は、桜の木(ソメイヨシノ)です。







02
山手111番館の建物は、斜面の上に建っていて、
中央の緑色の大きな窓は、2階ではなく、1階になります。

パラソルのあるテラスの後ろにも扉が見えますが、ここは地階で、
昔はメイド室や、ボイラー室、ガレージだったそうです。

現在の地階は、えの木てい(Enokitei)というお店の
ティールームになっています。 本店は元町公園前にあります。






03
あ、テラスの横に猫がいますね。
携帯電話で写真を撮る人も。^^






04
白に黒い模様の綺麗な猫でした。
お客さんが連れて来たのかな?

黒い蝶ネクタイをして、赤いリードで繋がれていました。
気のせいか、ちょっと困ってるような表情にも見えますね。^^;






05
テラスの右側の坂にジグザグの遊歩道がありました。 花壇にはバラの品種の札が
立っているのですが、5月初旬時点では、まだ咲いていませんでした。
☆ 因みに、横浜市の「市の花」は、バラです。

右上の椰子の木の近くの建物は、前回の記事の イギリス館です。






06
ジグザグの歩道を昇ると、真ん中に噴水のある、噴水広場に出ます。

この噴水は、1887年に横浜停車場(初代の横浜駅)の広場に
設置された噴水塔を再現したものだそうです。

この広場は、周回バスの転回場所にもなっているのでバスに気をつけて下さい。
では、一旦道路に出て、正面の門から山手111番館に入りましょう。






07
山手111番館は、J.H.モーガン(Morgan)設計のスペイン風の洋館です。
1926年にアメリカ人の両替商 J.E.ラフィン(Laffin)氏の住宅として現在地に建てられました。

1996年に横浜市が土地を取得し、建物の寄贈を受けて、
改修後、市民利用施設として開放されています。


J.H.Morgan (1868-1937)
アメリカ・ニューヨーク生まれ。
1920年に日本フラー建築会社の設計技師長として来日し、
東京丸ビルや日本郵船ビルの設計に携わりました。
その後独立し、ビルや学校、住宅の設計を手がけました。







08
門の脇に、イギリス館と同様に金属製のポストがありました。
こちらは、鉄製なのか、ちょっと錆びてますね。^^;






09
正面のアーチの上は、藤棚になっていました。

赤い葉は多分、春に紅葉するノムラモミジだと思います。
ノムラモミジは、夏には緑になり、秋に また赤くなるそうです。






10
では、小さな玄関から館の中に入ってみましょう。
土足禁止なので、玄関の前で靴を脱いで、スリッパに履き替えます。






11
玄関を入ると、大きな吹き抜けのあるホールに出ます。
山手に現存する西洋館でも、このような様式は珍しく大変貴重だそうです。

2階の回廊は不特定多数の往来に向かない設計なので、
残念ながら、2階に上ることは出来ません。






12
吹き抜けの天井にシャンデリアがあります。
イギリス館の物と少し似ているように見えます。








13
創建時から全館スチーム暖房だったそうですが、
ホールには暖炉もありました。

壁を挟むように、この暖炉の裏にも食堂用の暖炉がありました。
煙突を1本で済ませるための工夫かな?








14
ホールの床の板は、中心から正方形を描くように張られていました。








15
ホールの隣室は大きな窓のある食堂です。
食堂の床板もホールと同様の配置ですね。

家具は、現在のもので、「横浜家具」を置いてあります。
天井の照明もヤマギワのマークが付いていたので、現在の物でしょう。


「横浜家具」
日本の木工技術を生かした横浜での西洋家具の総称です。
居留外国人が持ち込んだ西洋家具の修理から始まり、かつて元町には
西洋家具の注文、製作を行う家具店が軒を連ねたそうです。








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食堂の大きな窓から外を見ると、半円形のオープンテラスと、
先程歩いてきたローズガーデンが見えます。

半円形のテラスは、創建時の図面には無かったので、
改修時に付け加えられたのかもしれません。







17
食堂の隣は配膳室です。作り付けの白い棚は、創建当初の物らしいです。
厨房と繋がる小さな窓から、料理が出てきたのでしょうね。







18
厨房の設備は新しい物になっていましたが、
こちらも、作り付けの棚は創建時の物のようです。







19
ハーブかな? 厨房の窓辺に植物が生けてありました。







20
浴室です。壁の108mmの角タイルと床の六角形のモザイクタイルの
一部は創建当初の物らしく、一部は再現された物のようです。







21
食堂に隣接したもう一部屋は、ギャラリーとして貸出されています。

この日は、Kamyuri Boutis & St.sicilyという展示会が行われていました。
フランス・キルトの ブティ(boutis)と、セント・シシリー刺繍が
展示されていて、結構盛況でした。







22
壁に、ブティの作家さんのハート型の作品が飾ってあります。

ブティ(boutis)は、普通のキルトと違って、まず2枚の布で模様を縫い、
その後、綿や綿コードを入れて立体感を出すそうです。






23
窓際に古いアイロンが置いてありました。

多分、炭を入れて使うタイプだと思います。
葉書の半分くらいの大きさの可愛いアイロンでした。







24
こちらは、刺繍の作家さんの作品だと思います。
レースで卵を包んであるのかな?
卵の下に敷いてあるレースも、とても細やかで繊細でした。









25
追記: 山手111番館の平面図です。
クリックすると大きくなります。



***



前回と今回で、港の見える丘公園にある2つの洋館を見てきました。

次回の洋館めぐりは、山手公園地区にある、
エリスマン邸(Ehrisman Residence)を予定しています。

(^x^)続く。







【参考情報】
山手111番館
開館時間: 9:30-17:00(7月と8月は18:00まで)
休館日: 第2水曜日(祝日は開館し翌日休み)、年末年始
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/seiyoukan/yamate111.html


山手西洋館マップ(西洋館で配っています)
http://www.yamate-seiyoukan.org/pdf/seiyoukan-map.pdf





  関連記事

【横浜 山手】 7つの洋館 1. イギリス館  http://blog-maniera.blogspot.com/2010/08/maniera-yamate-5-british-house-yokohama.html
【横浜 山手】 7つの洋館 2. 山手111番館  この記事です。
【横浜 山手】 7つの洋館 3.エリスマン邸  http://blog-maniera.blogspot.com/2010/12/7-3.html
【横浜 山手】 7つの洋館 4. 山手234番館  http://blog-maniera.blogspot.com/2011/04/74234.html
【横浜 山手】 7つの洋館 5. ベーリックホール(前編) http://blog-maniera.blogspot.com/2011/08/7-5.html
【横浜 山手】 7つの洋館 5. ベーリックホール(後編) http://blog-maniera.blogspot.com/2011/08/75.html
【横浜 山手】 7つの洋館 6. ブラフ18番館 http://blog-maniera.blogspot.com/2011/11/7-618.html
【横浜 山手】 7つの洋館 7.外交官の館(前編) http://blog-maniera.blogspot.com/2011/12/77.html
【横浜 山手】 7つの洋館 7.外交官の館(後編) http://blog-maniera.blogspot.com/2011/12/77_31.html


2010年8月21日土曜日

【横浜 山手】 7つの洋館 1. イギリス館


(^x^)こんにちは。MANIERAです。

横浜市は、山手(Yamate)地区の 7つの西洋館を保存し、無料で公開しています。
5月初旬に、集中的に、7つの西洋館を見てきたので、順番に紹介していきたいと思います。

今回は、イギリス館(British House Yokohama)です。





01
横浜市イギリス館(横浜市指定文化財)は、英国総領事の公邸として、
1937年に現在の場所に建てられました。

横浜市が1969年に取得し、コンサートや会議に使用していましたが、
2002年からは一般公開しています。 港の見える丘公園の中にあります。






02
玄関の近くには、青銅製(?)の黒いポストがありました。
バラの花の造形部分が薄いピンクで塗られています。

イギリス館の周りには、ローズガーデンがあって、バラが沢山植えられていたのですが、
撮影時は 未だ殆ど咲いておらず、バラの見頃は5月中旬からのようでした。






03
設計は、上海にあった大英工部総署が行い、全ての材料が上海方面から輸入されたようです。

鉄筋コンクリート製の2階建てで、玄関と反対側には広い庭があります。
屋根の上に煙突がいくつも見えます。






04
壁の厚さは平均40cmもあるそうです。
立派な柱のある玄関から、中に入ってみましょう。






05
玄関の扉は2重になっていて、扉の間で、上を見上げると、
円筒ガラスを沢山嵌めこんだような、特徴的な明り取りが ありました。






06
玄関を入ると、正面にホールなど3部屋があるのですが、この日はピアノの
コンサートが行われていて、入れませんでした。

玄関から左手に進むと、この配膳室に入ります。
作り付けの棚に、ティーカップが並んでいます。







07
配膳室の入り口に、何か箱が付いています。
近づくと、ナショナル(現 Panasonic)のマークの上に"NATIONAL INDICATOR"と書いてあります。

15個のランプの上には、ホール、食堂、ベッド、トイレ等と書いてありました。
これは、各部屋から、使用人を呼ぶための 呼び鈴の表示装置でしょうか?






08
配膳室の隣に台所があります。

総領事官の家族 及び 来客への食事の調理室だったそうです。
作り付けの家具は創建当時の物らしいですが、設備機器は現在の物でした。

単なる展示室かと思いましたが、この後、
女性が食器を洗っていたので、現役で使用されているようですね。






09
1階通路から2階へ続く階段です。木の手すりの先端が、
カタツムリのように渦を巻いていますね。







10
階段の踊り場から、前庭が見えます。
この窓は、写真03で、玄関の左上にあった窓です。






11
こちらは2階の展示室で、建物の資料や模型が展示されています。
小さいピンクの椅子が可愛いです。

偶然でしょうが、椅子の色と、右の男性のズボンの色が似てますね。^^







12
展示室のシャンデリア。 少し飴色がかったガラスが、
重厚な雰囲気を醸し出します。細工も細かくて美しい。






13
この押しボタンは、配膳室の表示機(写真07)に繋がる、呼び鈴だと思います。






14
展示室の隣の休憩室です。 窓からは、玄関とは反対側の広い庭が見えます。






15
イギリス館の模型が展示されていました。

左側の屋根の低い部分は、使用人の居住部分で、出入り口や、
飲料水の設備は別になっていて、暖房設備も無かったそうです。







16
部屋の扉のハンドルが階段の手すりと同じ、渦巻きの意匠になっていました。






17
総領事官夫婦の寝室として使われた部屋だそうで、かなり広いです。
家具は、状態が良すぎるので、現在の物のような気がします。







18
寝室の天井のランプです。 建てられたのが1930年代のためか、
アールデコ風の意匠ですね。






19
寝室に小さな暖炉がありました。 これは建てられた当時のものらしいです。

写真右の方に、床の近くに格子の嵌った、小さな長方形の
穴がありましたが、空気取りかな?






20
寝室の隣にも休憩室がありました。正面の扉の先は、半円形のバルコニーがあります。
写真15の模型の右端に見えるバルコニーです。






21
休憩室の丸い窓は、あまり英国風な感じではないですが、
船の窓の意匠を取り入れたという説があるようです。

この休憩室は、当時はスリーピング ポーチと呼ばれていたそうで、
ここで、お昼寝でもしたのでしょうか。






22
階段の上の照明も1930年代風のデザインで綺麗ですね。

結局、1階の殆どの部屋と、2階の一部は貸出しで、使用中だったので、
全部は見られませんでした。 地下には、ワインセラーもあったようです。







23
建物は、シンプルで実用的なコロニアル様式らしいですが、
コロニアルらしく(?)、建物の前に大きな椰子の木が植えてありました。^^







次回は、イギリス館のすぐ近くの、山手111番館(Bluff No.111)の予定です。
(^x^)続く。





***





【参考情報】
横浜市イギリス館
開館時間: 9:30-17:00(7月と8月は18:00まで)
休館日: 第4水曜日(祝日は開館し翌日休み)、年末年始
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/seiyoukan/igirisukan.html


山手西洋館マップ(西洋館で配っています)
http://www.yamate-seiyoukan.org/pdf/seiyoukan-map.pdf






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【横浜 山手】 7つの洋館 1. イギリス館 この記事です。
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