2010年12月31日金曜日

【鎌倉】建長寺の紅葉<後編>

こんばんは。MANIERAです。

11月下旬に鎌倉の建長寺に行ってきたので、2回に分けて紹介しています。
今回は後編です。







01
法堂(Hatto)を後にしてさらに奥に向かうと、竜王殿・方丈(Ryuoh-den)があります。
総門と同様に京都の般舟三昧院から移築したものだそうです。

お庭も見られるようなので、大きな玄関から中に入ってみましょう。






02
竜王殿の回廊を歩いて廻ります。






03
中はとても広い畳の部屋でした。中には入れませんでしたが、
宝冠釈迦如来坐像が安置されているそうです。

★ 座禅中の写真撮影は禁止されています。






04
こちらの場所では毎週金曜と土曜の夕方に座禅会が開かれています。
時間は、17-18時で、申し込みと参加料は不要です。

入山料を払って、開始15分前までにこちらの会場に入ればよいそうですが、
年末年始等、諸行事によって中止になる事もあるので事前に問い合わせて下さい。
(6月・12月の年2回、一人5000円の宿泊座禅会もあります)






05
隅の方に、大きな太鼓がありました。






06
柱に「高談戯笑を禁ず」という札が下がっていました。

【高談】こうだん: 辺りをはばからず声高に話すこと。
【戯笑】ぎしょう: たわむれ笑うこと。おどけること。  






07
反対側には、池のある庭がありました。
長椅子がいくつかあって、座って眺める事が出来ます。

池の向こうに見える建物は、客殿の得月楼で、
2002年に竣工した新しいものです。







08
池と低木と石のあるシンプルなお庭です。
紅葉は庭の外のものでよい借景になっていますね。

こちらの庭は創建時からあるもので、1275年生まれの禅僧、
夢窓疎石(MUSO Soseki)の作だそうです。







09
方丈を出て、山門の方を見ると、夕方になっても沢山の人が訪れてきます。
※ 唐門(Kara-mon)は工事中で、幕で覆われていて見れませんでした。







10
天源院への階段の両脇には、とても立派な並木になっていました。
※ 天源院の中には入れません。






11
仏像の脇に竹筒があって、小さな花が供えられていました。






12
龍峰院の門の中は、綺麗な紅葉でしたが、中には入れません。
絵を描いている人も見えますね。






13
用水路には赤い落ち葉が流れてきます。






14
建長寺の周囲では、先程の庭の北側の、この辺が一番木々が色づいてました。
この先、一般道?のような狭い道を歩き、半僧坊へ向かいます。






15
真っ直ぐな参道を歩きます。
突き当たりの階段の案内板には、半僧坊まで約10分と書いてあります。







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ここまでかなり階段を上ってきましたが、さらに急な階段を上ります。






17
半僧坊手前の斜面には天狗の像が沢山います。
これはカラス天狗かな?






18
上りきると、境内の一番奥の半僧坊の本堂がありましたが、もう閉まっていました。
右に行くと展望台があると書いてあるので、一休みしてから上ってみましょう。

こちらに祀られている半僧坊 権現は、1890年に静岡県の方広寺から
勧請した神で、火除けや招福に利益があるそうです。
※ 半僧坊とは、半分お坊さんで半分俗人の姿をしている人を指すそうです。







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階段はどんどん険しくなり、運動不足だと息が上がります。^^;
危険なので歩きやすい靴で訪れて下さい。






20
5分程度で勝上嶽展望台に到着。色づいた山々と海が見えました。
右下に先程見てきた建長寺の建物の屋根が見えますね。






21
帰りの階段は、疲労で足がガクガクで、危なかったです。^^;
上る時に上着を着てた人も降りる時は上着を脱いでいますね。






22
お寺の外に出ました。あと10分で閉門ですが、これから入ろうとする
綺麗な和服の女性たちを見かけました。






23
お腹が空いたのでお寺の前の、かまくら五山(別館)という店に入ってみました。






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けんちんうどんを頼みました。900円。具は、大根、にんじん、ごぼう、白菜、
豆腐、里芋、大根の葉っぱで、上に海苔がかかっています。
うどんは3ミリくらいの細いうどんです。
冷えた体が暖まり、さっぱりした味で美味しかったです。



【けんちん汁の由来】
建長寺は、けんちん汁の発祥地と言われています。建長寺の修行僧が
食事の支度中に誤って落として崩れた豆腐を、野菜と一緒に煮て
汁にしたら、豆腐に味が染込んで美味しくなったそうです。

これが、建長(けんちょう)汁>けんちん汁と訛ったそうで、
物を粗末にしないという教えが込められているそうです。



***



今日は大晦日ですが、建長寺の除夜の鐘は修業道場にて12月31日23時50分ごろから始まります。
無料で人数制限もなく、並べば全員鐘を撞くことができるそうです。

お正月には大変混みあう鎌倉駅前に対し、北鎌倉は静からしいです。
北鎌倉付近も、鎌倉街道が1月3日まで車両通行制限になっていますので、
電車利用で、ゆっくりした初詣などに、訪れてみてはいかがでしょうか。^^



(^x^) では、良いお年をお迎え下さい。おしまい。





【参考資料】
建長寺公式サイト
http://www.kenchoji.com/

鎌倉市 年末年始交通規制のおしらせ 
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koutsu/koutsukisei.html



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2010年12月30日木曜日

【鎌倉】建長寺と紅葉<前編>

(^x^)こんばんは。MAIERAです。

11月下旬に北鎌倉の紅葉と建長寺を見てきたので、2回に分けて紹介します。



01
JR横須賀線の北鎌倉駅を降り、鎌倉街道を南へ少し歩くと、左手の木々の間に踏切が見えます。
線路のこちら側も円覚寺の敷地なので、線路がお寺の境内を横切っている事になります。






02
踏み切りの手前の円覚寺の境内には、抹茶のような緑色をした池がありました。
白鷺池(びゃくろち)という池で、地元の案内地図には、白さぎ池と書いてあります。

池の名前は、中国の僧、無学祖元が鎌倉入りした時に、白鷺に姿を変えた
鶴岡八幡宮の神の使いが案内したという故事にちなんで付けられたそうです。






03
踏切を渡ると円覚寺の入り口です。





04
この辺りの紅葉は11月下旬から見ごろになるようです。






05
大勢の人が階段を上って、円覚寺へと向かって行きます。
場所柄か、和服の女性も見かけます。






06
階段を上ると円覚寺の総門で、この先は拝観料が必要です。
今回は、円覚寺には入らず、少し離れた、建長寺に向かいます。






07
建長寺の手前にお店がありました。 ちょっとお腹が空いたので、
お寺に入る前になにか食べましょう。

ちなみに後ろの茶色と白のビルは、隣接する建長寺が出資している鎌倉学園です。
中高一貫の男子校で、堺正章や桑田佳祐の出身校だそうです。






08
いも吉館で、紫芋のソフトクリームを買いました。おいしい。^^






09
北鎌倉駅から鎌倉街道を南の方へ、約1km歩いた所に建長寺があります。
この門は、建長寺の(駐車場への)入り口の天下門です。






10
入り口の天下門をくぐると、観光バスや乗用車が駐車できる
大きな建長寺の駐車場でした。

営業時間8:30-16:30、乗用車は600円/時間、大型車は2000円/時間、
大型車の乗客乗降のための一時駐車は300円。
乗用車30台、大型車4台が駐車可能だそうです。






11
駐車場に隣接して、お寺の総門があります。
日本最大の禅寺で、鎌倉時代、1253年(建長5年)の創建だそうです。

門には巨福山(Kofukusan)と書いてあります。寺は何度も火災に合い、
現在の門は、1940年に京都般舟三昧院より移築されたものです。






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受付で拝観料300円を払います。結構混んでますね。






13
境内を歩いてゆくと大きな山門の前に出ます。
当初の山門は失われ、現在のものは1775年に落成したものです。






14
山門の下にも装飾が施されていますね。






15
山門の右手にある梵鐘は国宝に指定されています。
1255年に関東の鋳物師の棟梁、物部重光が鋳造したそうです。






16
山門をくぐると、仏殿があります。 国の重要文化財で、
芝(東京都港区)の増上寺にあったものが1647年に移築されたそうです。






17
香炉でお線香をあげましょう。







18
次々に仏殿に人々がやってきます。
熱心にお祈りする人がいました。






19
仏殿は相当古びていましたが、部分的に金箔が押された跡を見る事が出来ます。






20
本尊は地蔵菩薩坐像です。大きな仏像で、2.4mの大きさになります。
天井は格子になった格天井(ごうてんじょう)という様式で、
日光東照宮でも見た覚えがあります。






21
仏殿の先には、国の重要文化財の法堂(Hattou)があります。

現在の建物は江戸時代の文化11年(1814)に再建されたもので、
昔は僧著全員がこの法堂に集まって説法を聞いたそうです。






22
壁の奥には千手観音像、天井には雲龍図という大きな天井画がありました。
創建750年を記念して、小泉淳作画伯によって1997年に描かれたそうです。







23
千手観音の手前には、釈迦苦行像が置かれています。
この像はパキスタンの博物館に保管されたガンダーラ文明の遺物を元に製作され、
愛知万博で展示された後、こちらのお寺に寄贈されたそうです。






24
華厳小宝塔(けごんしょうほうとう)という小さな塔がありました。
長野県の宮大工が数年がかりで作った1/10の模型です。

建長寺には1253年の創建時に、二十数メートルの大きな華厳塔が
あったそうですが、火災で焼失し、現在は存在しません。
お寺としては、またこのような塔を再建したいと考えているようです。





(^x^) 後編に続く。

後編はこちらです。> http://blog-maniera.blogspot.com/2010/12/blog-post_31.html






2010年12月5日日曜日

【横浜 山手】 7つの洋館 3.エリスマン邸

(^x^)こんにちは。MANIERAです。

横浜市は、山手(Yamate)地区の 7つの西洋館を保存し、無料で公開しています。
5月初旬に、集中的に、7つの西洋館を見てきたので、順番に紹介しています。

第3回目は、エリスマン邸(Ehrisman Residence)です。



01
山手本通りの元町公園前という信号の近くに、エリスマン邸は建っています。
生糸の貿易商社、シーベルヘグナー商会の横浜支配人をしていた
チューリッヒ生まれのスイス人、フリッツ・エリスマンの邸宅です。


1926年に、山手町127番地に建てられましたが、1982年に
マンション建築のため解体されたのを横浜市が譲り受け、
1990年に、この場所に移築再現された物だそうです。






02
2階部分の外壁は下見板張り(したみいたばり)という仕上げで、
横板を下部で一部重ねて張ったものだそうです。

こちらの下見板張りは、階段のような段差がないので、
日本の鎧のような「鎧下見」とは違って、「ドイツ下見」という種類のようです。






03
建物の北東側は、斜面に面していて、緑のカーテンの見える部分は、
地下ホールになっていて、一般に貸し出しもされているそうです。

右上の黒い枠のガラス窓は、紅茶やケーキを出す眺めの良い喫茶室です。
この日は喫茶室が早く閉まってしまったので、何も食べられませんでした。;;






04
南西側に入り口がありました。
右には暖炉用の煙突が伸びています。


では、ちょっと入って中を見てみましょう。
玄関で、靴を脱いで、スリッパに履き替えます。






05
一階のサンルームには藤の長椅子が置いてありました。
写真01の、右下のガラス戸の部分になります。

昼寝するのに良さそうな場所です。^^






06
サンルームと食堂の間の、扉のガラスの取っ手は
かなり古びていて、歴史を感じさせます。






07
応接室には暖炉があります。
暖炉の上の装飾はアールデコ風な感じです。
照明は現在の物かも。





08
ゴールデンウィークだったので、食堂兼居間では、特別に子供の日をテーマにした
テーブルコーディネートがされていて、鎧兜なども置いてありました。






09
居間の隅には、古い家具があって、
上の方を見ると、楽譜入れと書いてありました。






10
一階の廊下です。床が良く磨きこまれていますね。
階段を昇って、2階に上がってみましょう。






11
2階の展示室です。 当時は寝室だったそうです。
今は、山手の洋館のパネル等が展示されています。






12
部屋の中央に、山手地区の大きなジオラマがありました。
小さな建物が、カラフルで可愛いです。^^






13
エリスマン邸の模型もありました。
写真03と大体同じ方向からの眺めです。






14
2階の浴室です。洗面台は古い感じだったので当時のものかもしれません。

奥の壁の大きなリングは、カーテンレールのようです。
その上に、シャワーヘッドはありませんでしたが、
ひょっとしたら シャワーカーテンを吊ったレールかも...と思いました。






15
浴槽の上にシャワーヘッドがありました。
レトロで良い感じです。






16
2階の廊下の窓ガラスが、ヒビ割れて☆で補修してありました。







17
一階部分は、竪羽目板張り(たてはめいたばり)という
板を垂直に張っていく仕上げになっています。

17:00で 閉館になります。(7,8月は18時に閉館)
ちょっと周りを見て歩いてみましょう。







18
エリスマン邸の隣は山手80番館の遺跡です。
関東大震災の際に倒壊した建物の跡です。






19
山手80番館の遺跡の説明がありました。

この付近はかつての外国人居留地の中心だったそうで、ここは
当時のマクガワン(McGowan)夫妻の住居だったそうです。



左右のタイルは当時のタイルの複製です。
大きくて鮮やかな柄ですね。






20
遺跡から、少し歩いてゆくと、「猫の美術館」という看板を発見。






21
矢印の方に進んでゆくと、「ヨコハマ猫の美術館」と書いてある建物がありました。

どうも普通のお家のように見えますね...。 少々敷居が高いので、
また次の機会に挑戦したいと思います。^^;






22
公園の階段の下にプールが見えます。元町公園のプールのようです。
まだシーズンでなかったので水は緑色でした。





23
プールの北側は、ウォーターガーデンという施設になっていて、
中心には階段状に水が流れる、カスケードがありました。

この時は水も流れておらず、
地元の人が数人いただけで、ひっそりしていました。






24
ふと空を見上げると、そこにはツェッペリンNT(Zeppelin NT)飛行船が浮かんでいました。



ちなみに、2010年6月に運航会社の「日本飛行船」は破産して、
この飛行船は7月に解体。 骨組みなどはドイツに送って
新たな飛行船に再利用されたらしいです。




次回は、山手234番館の予定です。

(^x^)おしまい。







【参考情報】

エリスマン邸
開館時間: 9:30-17:00(7月と8月は18:00まで)
休館日: 第2水曜日(祝日は開館し翌日休み)、年末年始(12/29~1/3)


山手西洋館マップ(西洋館で配っています)





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